< 紛争調整委員会による「あっせん」の概要 >

行政機関が間に入ると、どうしても「労働者寄りの制度」との先入観が入る為、公平/中立な立場の第三者として都道府県労働局長より委任された「あっせん委員」が問題の調整を行い、話し合いを促進することにより紛争の解決を図ります。尚、あっせん委員は、弁護士・大学教授・社会保険労務士などの労働問題の専門家であり、新潟県では現在6人が労働局長より委任されています。

 

当該「あっせん」を開催するのは原則として1回、当事者が顔を合わさない「非対面式」で行われ

あっせん委員が当事者双方の主張を聞き、客観的な意見/判例の動向/解決の方向性等を助言することになりますが、事実の認定や判決を行うことはありません。

 

事実関係についても、双方の主張に食い違いがある場合は「どちらの主張が真実であるか」を判断することは無く、「事実関係に関する食い違い」はそのままにした状態で両者の調整を行うことになります。つまり「あっせん」の場で合意が成立するか否かについては「双方が、互いにどこまで譲歩できるか」がポイントになります。

 

なぜ「出席したくなければ拒否することで済み」「拒否によるペナルティーも罰則等も無い」のに多くの企業があっせんに参加するのか(統計的には6割程度)との疑問を感じたと思われますが、それは「合意の効力」により説明ができます。

 

あっせんの目的は「当事者間の合意」に尽きますが、紛争当事者が「あっせん案(あっせん委員に

よる提案・解決案)」に合意した場合には、双方の受諾は民法上の「和解契約の効力」を持つことになります。従って、和解契約により当事者間の債権/債務は消滅する為、以後は「気が変わったので改めて訴訟を提起する」などの主張は一切できなくなり、仮に訴訟を提起すれば、当該行為は債務不履行となります。

 

当該「問題・事件(労使トラブル)」などは「あっせん」の場で合意が成立している為、事業主は以後のストレス等から解放され、民事訴訟に発展した場合の高額な費用(裁判費用・弁護士費用・主張が認められなかった場合の損害賠償額など)や、年単位に渡る裁判へ精神的負担も無くなることが「あっせん」参加のメリットと言えるでしょう。

 

  

 

 

   

 湊元社会保険労務士事務所

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